ご挨拶
平成二十二年十二月十八日
寺子屋・こども論語塾主宰 新田 修
 本日は、22名の園児・児童のみなさんと27名の保護者の方々がご参加下さり心よりお礼申し上げます。
また、神奈川県小田原市よりお越しいただいた岩越豊雄先生をはじめ、多くの皆様方のご出席をいただき盛大に開塾サレモニーを迎えられましたことは、私の最も喜びとするところであります。
 北海高等学校での40年間の教師生活を終え、早4年が過ぎ去ろうとしています。
私の定年退職後の夢は2つあり、その一つが幼稚(保育)園児によるチビッコ弁論大会であり、もう一つは、論語塾の開設でした。その夢の一つ「こどもの声発表会」は、札幌グリーンライオンズクラブのご好意により実現し、残るもう一つの夢の実現に向けて努力して参りましたが、何とか本日を迎えることができました。
 この間、私なりに不急不休(急がずされど休まず)の精神で論語と向き合ってきましたが、何せ専門外の分野です。まだまだ完成の域には到達していませんが、何とか旗揚げに漕ぎ着けたいという思いが強く、昨年夏に世話人会を立ち上げ、本日の開塾に至ったのであります。
あらゆる面において不十分なことは重々承知しておりますが、何卒宜しくご協力ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 現在、子供達を取り巻く環境は、親の育児不安がもたらす児童虐待の悲劇をはじめとし、いじめ、引きこもり、少年犯罪などが後を絶たず、大きな社会問題を引き起こしています。暗い事件が続発するのも「親」と「子」の間に何かが見失われつつあるためではないでしょうか。その何かとは、道徳教育の欠如に他ならないと私は考えております。本来、学校が担うべきこととは思いますが、その幾らかでも本塾が対応できれば考え、あえて昔の寺子屋方式による論語塾の開設に踏み切った次第です。
 人としての規範意識が崩壊しかけている今日、他人を思いやる心ある人間の育成が求められています。私は今一度、生きることの原点に立ち返って考えてみたいと思ったのです。
そんな矢先、首都圏で展開されている、ある「こども論語塾」を見学する機会がありました。
そこに集う子供達の生き生きとした姿の中に「私の目指した論語塾の形」を見いだすことができ、それを契機に、私の構想が具体化し始めたのであります。
 私達が苦しいとき、悲しいとき、私達に力を与え、私達の支えとなってくれる。それが論語だと私は確信します。そこに思いを馳せた塾でありたいと願っています。
 私がめざす「寺子屋 こども論語塾」は、道内では初めての幼稚園児・小学生を対象としつつも、保護者の方にも一緒に参加して戴き、座禅を取り入れた一時間三十分程度の内容と考えております。また、私の40年間の教育者としての経験を活かして、子供達の良き相談相手にもなりたいと思っている次第です。
 最後になりましたが、会場を提供してくださる 北大寺 近藤住職には心よりお礼を申し上げます。


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